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個人評価98
一般評価90
知られざる映画。最高レベル。テーマ性が強い作品でありながら押し付けが一切ない完璧な戦争映画。戦争映画でありながら残酷な描写などに頼っているところは無い。むしろ静謐な詩を見せられているような、高級な絵画を見ているような作品でありながら、適度な娯楽性も含まれている。ロシア軍兵士のワーニャとサーシャ准尉は、チェチェン人に捕らわれてしまった。二人を金で買ったアブドゥルは、二人をロシア軍に捕まった彼の息子と交換しようとするのだが、交渉はうまく捗らず、やがて些細な事から悲劇と変わってしまうというストーリー。
ロシアの大自然、山岳民族の民謡、それに詠われる彼ら誇り高さ、かといってロシア兵を単純な悪にしている訳ではない。素晴らしい原作から素晴らしい脚本を作り、知られざる名優が素晴らしい演技をし、それを超素晴らしい音楽(伝統的民謡含む)と映像(ロシアの大自然)で彩った傑作中の傑作。
知られざる究極の一本。切ないストーリーがたまらない。おススメ!
個人評価91
一般評価82
悪がはびこる一世代前の中国。貧乏ではあるが平和だった豚小屋砦(アパート)にもついに悪の手が伸びる。ところが豚小屋砦に棲む面々は中国拳法の達人達だった。達人達に追い返された斧頭会は次々と刺客を豚小屋砦に送り込む。刺客の手に次々に倒れる達人達。その時、過去のトラウマからチンピラになってしまったシンは正義の拳「如来神掌」に目覚めるのだった。
という次々に強い奴が現れるドラゴンボールのような、漫画太郎のようなストーリーの映画である。この映画を楽しめるかどうかに中国武侠ものの知識が少しでもあるかどうかという点がある。知らなくても十分楽しめるが武侠の世界を知っていれば、10倍界王拳だ。大きな力には大きな責任を伴うという、おかゆ屋の最後の言葉がカッコイイ。フェミにいいたい言葉だ。
ドラゴンボール・武侠モノ、悪党に正義の拳がうなるみたいな話が好きな人におススメ!
個人評価83
一般評価70
摩訶不思議なSFの旧ソ連映画。異星人の事件に巻き込まれ故郷地球を離れた二人が四苦八苦して地球に戻ろうとする話。アホらしい設定にアホらしい演技、アホらしいストーリーが独自の味を生み出しているため、必然的に見るものを選ぶ。しかしながら当時の旧ソ体制を皮肉っているストーリーかと思われる。物(マッチ)に異様な執着を見せる異星人が、当時の旧ソ連社会を物資不足社会を連想させる。
異色SFを見たい人におススメ!
個人評価83
一般評価90
マフィアは出て来ない、日本が舞台のアニメのゴッドファーザーだ。代わりにホームレスが出てくる。オッサン、オカマ、少女のホームレスがクリスマスに捨て子を拾うところから物語りは始まる。お子様に見せても安心でき、大人が見ても安心できるハッピーエンドになっている。都合よく出来すぎていると思う方もいるかもしれないがそういうものだと思ってみるべし。
難しいことを何も考えずに楽しみたい時はコレ!難しいテーマが無いわけではないが。
個人評価93
一般評価90
おいおい、邦題なんとかしろよ。と、言いたくなる代表的映画である。それ意外は最高傑作の部類に入る。チェン・カイコー監督作品としても頭一つか二つほどでた珠玉一本だろう。舞台は近代中国で戦前・戦中(日本統治時代)・戦後・文革・(おまけでその後)といくつもの時代に翻弄された京劇役者の物語である。監督チェン・カイコ-の青年時代の文革への憎しみ、実際に男色家で自殺したレスリー・チャンの人生投影ともいえる女形の劇中人物が、この映画に異常な迫力とリアリティーを与えた。ところで京劇という芸術を一番買ってくれたのは、日本軍の将校で、一番礼儀正しく京劇を鑑賞していたのも日本人だったというシーンもある。芸術は政治的意図とは違う次元に存在するというチェン・カイコーの叫びだろうか?
ゴッド・ファーザーもそうなのだがハイレベルな映画は製作者が意図したかどうかはわからないがテーマが単一で薄っぺらくなく、人そのもののように複雑な多重構造を見せる。この映画もまさにそういったテーマに複雑な多重構造を見せている映画だろう。
重く、辛い映画だが中国映画として最高レベルの映画を見たい人におススメ!
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