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それでもボクはやってない
個人評価95
一般評価80
ほとんどの映画評はレンタルで見たものだが、
これは映画館でみた。書評当時公開中である。
内容は日本の司法の問題点にスポットを当てた痴漢冤罪モノ。
犯罪の疑いをかけられるということが日本ではどれだけ
不条理なことに繋がるかということがドラマチックなことも
起こらずに淡々と約2時間30分。しかし事実は小説より奇なのか。
日本の司法現場で本当に起きていることは
フィクションの斜め上をいく展開らしい。
素直に面白い。映画的な演出などはされていないが
それがまた新鮮である。洋画に代表される法廷モノは
法廷に憧れている(からこその)人間が当然それを作るわけだが、
この映画は法廷や司法に憤りを持った人間が作っているところが
成功の要になったのだろう。
この映画の最後主人公の独白は考えさせられる。
内容は
ボクは知った裁判は真実を明らかにする場所ではなく
とりあえずの白黒を判定する場でしかないのだということを。
真実は誰にもわからないというがそれは嘘だ。
少なくともボク自身はそれを知っている。
裁判官は間違いを犯した。ならばそれを裁けるのは
ボクしかいない。控訴します。
といった内容である。これは素直に読めば
一審裁判官の間違って罰した罪を二審でボクが裁くということだ。
一審で真実を知らないで間違った判決を出した人間を
二審で真実を知る僕が裁くという意味である。
これは凄い視点だ。自らの潔白の証明ではなく、
司法(裁判)を持って、司法(裁判)を裁くという
言わばやられっぱなしの主人公が復讐を決意した
瞬間が最後の「控訴します!」である。
最悪の結末でありながら絶望のなかから強い意志を
感じ取ることが出来るラストである。
受動的な素人が能動的に戦う精神状態になったところで
この映画は終わるのである。言わばここだけが
この映画における監督の映画的(創作物的な)演出であるが
それが実に秀逸であった。
※ちなみに男女問題を追及するブログとして
二つの蛇足的なことを述べておこう。
女性優遇や男性が性犯罪だと不利になるという点は
あまり詳しく描かれていないという評があるが
個人的にはそうは思わなかった。
司法現場は風潮に左右されやすく、女性保護目的に
男性が軽んじられるということも十分表現されていると思った。
二つ目は客の入りだが自分の行った館にしては普通といった
感じだった。男女比は半々ぐらいだったと思う。
若い女性グループもいたし、泣いている女性もいたことが
印象に残った。
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